谷川俊太郎

2001年10月20日



ぼくは自分にとてもデリケートな
手術をしなきゃなんない
って歌ったのはベリマンでしたっけ自殺した
うろ覚えですが他の何もかもと同じように


さらけ出そうとするんですが
さらけ出した瞬間に別物になってしまいます
太陽にさらされた吸血鬼といったところ
魂の中の言葉は空気に触れた言葉とは
似ても似つかぬもののようです


覚えがありませんか
絶句した時の身の充実
できればのべつ絶句していたい
でなければ単に唖然としているだけでもいい
指にきれいな指輪なんかはめて
我を忘れて



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